クレハとアヤハ 織姫が紡ぐ はじまりの物語
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池田の偉人日清食品の創業者。昭和33年(1958年)、世界で初めてインスタントラーメン<チキンラーメン>の発明・開発に成功。また昭和46年(1971年)、世界初のカップめん〈カップヌードル〉を開発、日本ばかりでなく世界の食文化に大きな変革をもたらした。晩年になっても製品開発のたゆまぬ探究心は、安藤氏95歳のときに宇宙食ラーメン<スペース・ラム>を開発するにおよんだ。インスタントラーメンは世界の食文化を変え、その年間総需要は世界で約1000億食にのぼる。安藤氏が96歳の生涯を閉じるまで“クリエイティブな発想”と“最後まであきらめない執念”を持ち続けた志は、今でも日清食品グループへと引き継がれている。小林一三(雅号「逸翁」)は、明治6年(1873年)1月3日山梨県韮崎市に生まれ、その誕生日をとって「一三」と名付けられた。日本の近代化が進んだ明治・大正・昭和の時代にあって、鉄道経営を基軸としての数々の事業を興した小林一三。民営鉄道のビジネスモデルとなった沿線の住宅開発による街づくりでは、今でいう住宅ローン(割賦)を日本で最初に考えた。また、少女歌劇団(現在の宝塚歌劇団)や世界初のターミナルデパート「阪急百貨店」を開業する等、私鉄による多角経営の先駆者として、今なお功績が語られている。安藤 百福Momofuku Ando 1910─2007小林 一三Ichizo Kobayashi 1873─1957多方面で活躍した起業家小林一三氏の華麗なる軌跡を当時の資料・写真・映像等で紹介し、逸翁(雅号)が構想を練った書斎等旧宅跡も公開している。また茶人としての逸翁が工夫を凝らした茶室・庭園、邸宅レストラン「雅俗山荘」で食事を楽しむことのできる、今までに無い新概念の記念館。なお「雅俗山荘」「即庵」「費隠」「長屋門」「塀」の5つが国の登録文化財となっている。小林一三記念館安藤百福氏は「発明・発見の大切さを伝えたい」との思いから平成11年(1999年)、インスタントラーメン発明記念館を開館した。チキンラーメンを手作りできる「チキンラーメンファクトリー」や、世界でひとつだけのオリジナルカップヌードルを作ることができる「マイカップヌードルファクトリー」など、いまや世界で新しい食文化となったインスタントラーメンの原点を学べる体験型食育ミュージアムである。インスタントラーメン発明記念館日清食品株式会社の創業者阪急阪神東宝グループの創業者事始めの街安藤百福 & 小林一三天才起業家世界の発明家資料提供:池田市・池田市観光協会写真提供:日清食品ホールディングス株式会社・阪急電鉄株式会社

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